旭川医科大学医学部に合格された橋本君が、合格体験記を書いてくれました。のちほど、合格体験記のページに掲載しますが、その前にここで紹介させてもらいます。かなりの長文ですが、アシストシステムの雰囲気が伝わると思います。新年度の利用を検討中の方にはぜひ読んでいただければと思います。
以下体験記です。
旭川医科大学合格 橋本亮(東山高校卒)
再受験を決意しアシストの門を叩いてから、二年が経ちました。
この二年間で得たことや学んだことが、
少しでも同じ志をもつ皆さんのためになればと思い筆を執らせていただきます。
かなりの長文になりますが、適宜参考にしていただければ幸いです。
・私自身の大まかな受験記録
私は一度大学の文系学部(文学部)を卒業後に悩んだ挙げ句、
就職を蹴り、退路を断って再受験に臨みました。
このときの私の学力は理数系はほぼゼロという状態で、
暗中模索のなか再受験生活が始まりました。
しばらくは別の自習室を借りて孤独に学習を進めていたのですが、
次第に精神的疲労とモチベーションの低下があいまって、閉塞感が募ってきました。
「合格最低点を取るためには何を、どれくらいの時間で、どの程度勉強したらいいのか」
「医学部に合格にする理想の受験生像とは、どのような人を指すのか」
「受験勉強に関する方法論や知識だけでなく、強靭なメンタルをいかに持続していくのか」
こういった根本的な問題を解決するには、
私一人の力では、あまりにも無力だということを痛感せざるを得ませんでした。
そんな中、「勉強は自分の努力が全て」という発想を転換し、
「自分に欠けているものを直視して、それを素直に改善していく力が合格への一歩ではないか」
「そのためには同じ志を持つ優秀な人と一緒に勉強してみて彼らから学ぼう」
と考えることにしました。
そうすると、おのずとアシストという選択肢が出てきました。
かねてから自宅から近いことと、自分の裁量に応じて勉強のペースを決められるという点で
アシストには魅力を感じていました。しかし、私がここで本格的に再受験生活を始めた理由は、
後述しますが、「仲間」と「師」という存在が非常に大きな位置を占めています。
再受験一年目は基礎知識の定着もままならず、センター試験で80%程度しかとれず、
前期は当時総合問題を出題していた高知大学を受験するも、不合格。
後期は琉球大学に出願したものの足きりを食らうという惨憺たる有様でした。
私は経済的な事情から私大医学部は諦めざるをえなかったので、
国公立大学しか考えていなかったのですが、この時改めて「狭き門」の狭さを実感しました。
またモチベーションや経済面から言って「再受験は2年が勝負」と考えていたので、
二年目は背水の陣を敷いて臨み、センター試験でなんとか87%程度取ることが出来ました。
志望大学群ではそこそこ上々の判定がでていたので、前期は第一志望の山形大学に出願しました。
山形大学は国公立大学で珍しく国語と英語の両方が二次試験で課されたので、
文系出身の私としては得手とするところでしたが、危惧していた数学でこけてしまい、落ちました。
得意科目で不得意科目をカバーするという戦略は、
医学部では非常に危ういものだということを痛感させられました。
後期は理科200点、面接150点配点(当時)の旭川医科大学に出願しました。
センターでボーダーマイナス10点くらいでしたが、得意になった理科で巻き返せると踏んでいました。
ところが、出願締め切りの段階で倍率33倍、足きりで20倍というもはや天文学的な数字に、半ば絶望に駆られました。
前期が不合格と分かってから、30分くらいは何も考えられなくなりましたが、気持ちを切り替えて
アシストにあるテスト演習問題を解きまくることでなんとか不安感を払拭していきました。
実際の後期試験では倍率11倍程度になっていましたが、理科はそれほど難しくなく、
しかも物理の方が生物よりも易しかったために、生物でやや失敗したと感じた私には手ごたえが全くありませんでした。
唯一満足できたのは、就職活動の経験が功を奏した集団面接ぐらいでしたが、それも合格を確信するほどには到底至らず…
後期試験後は来年度の受験に備えるという、憂鬱な日々を送っていたところ、
発表ではまさかの合格。しばらくは自分も家族も信じられませんでした。
「勝因は?」と聞かれても困惑してしまいますが、私自身は、
「最後まで諦めず、そして気持ち良く試験を終えられるようにしたこと」と答えることにしています。
午前中の理科でやや不満が残ったので、午後は気持ちを切り替え、
他の受験生との面接を楽しもう、グループディスカッションでは生産的な議論をしよう、と心がけようとしました。
面接も順調で、他の受験生と打ち解けた雰囲気になれたのは良かったと思います。
また、受験滞在中に「北海道の地に住んでみたい、旭川で医学を学び地域医療に貢献したい」という思いが、
自分の中で次第に高まっていくのを感じました。受験に勝つことばかりを考えていた時に、
初心を思い出せたこともモチベーション的な勝因だったかもしれません。
ともあれ、化学は早川先生に特別に対策プリントを編集してもらったり、
しつこく質問したりと最後までお世話になりました。
お陰でほとんどミスをすることがなく乗り切り最高の結果を得られました。
合格報告をした時に聞いた先生の安堵の声が忘れられません。
この場を借りて、改めて御礼申し上げます。
・アシストの特長
アシストには元から優秀な人もいますが、
ここで徐々に実力をつけて合格していく人の方が多い印象です。
私は前の大学に行く以前に大手予備校で浪人も経験していますが、
モチベーションの高さや学力でも予備校トップ層に引けをとらないと思います。
アシストの雰囲気は普段は和やかですが、
授業でのテストや模試では、皆がライバル意識を高めあって相乗効果が生まれます。
私は最初の一年はずっと最下位近くでしたが、徐々に張り合えるようになると、
成績もそれに比して伸びていきました。
特に理科(化学、生物)は、全くのゼロから、
センター試験は満点近く、記述模試では偏差値70超くらいまで伸びました。
これもひとえに、仲間に負けたくない、師である早川先生の恩に報いたい、
という思いが結実したのではないかと思います。
あえて大手予備校に通わないだけに?アシストの受験生のバラエティは豊かです。
孤独に黙々と勉強するのも良いですが、彼らから自分に合ったところを
吸収し勉学の糧にするのが、アシストの賢い利用方法ではないでしょうか。
また、一年の苦楽をともにし、同じ釜の飯を食べた仲間は生涯の財産になります。
再受験一年目は、前述しましたが基礎力の定着で精一杯でセンター試験も80%程度と、
医学部を狙うには厳しすぎる有様で、二年目は徹底的に底上げする必要がありました。
要は合格最低点+αを取ればよいのですが、
医学部の場合はどの科目も不得意であっては、合格が遠のいていきます。
私の場合は、数学が圧倒的に苦手で、センター試験で8割さえ結局最後まで取れませんでした。
再受験一年目も二年目も全勉強時間の4割程度は数学に時間を割きましたが、この有様は情けない…
しかし、早川先生に質問して不明な点を明らかにしていくことで、
以前予備校に通っていたとき以上のカンを徐々に見につけていくことが出来ました。
模試の偏差値で言えば40以下から60超程度までは伸びていったかと思います。
もちろん、数学の学力がこの程度では合格が難しいのですが、
アシストでやった勉強方針が自分には非常にフィットしていました。
これに対して自分でも驚くほどできるようになったのが化学と生物です。
化学は授業ではアシストのオリジナルテキストやプリントを使い、
自習でオリジナル問題集の宿題をこなしていく、というスタイルですが、
本質を理解した後に膨大に問題を解いていくことで理解が定着していきます。
化学は、化学平衡や気体など物理化学的な内容を除けば、演習量がモノを言う科目だと思います。
アシストの問題集はレベル別になっており徐々にステップアップしていけるので、
これを着実にこなしていくことが自信にも点数アップにもつながるでしょう。
また、気体のような深い概念理解が必要な分野は、
授業後に不明な点が出てきたら、早川先生が音をあげるくらいしつこく質問(笑)して、
すぐに明らかにして理解を深めるとよいと思います。
この分野は多くの受験生が苦手にしているので、
逆にわかってしまえば、おいしい得点源になるでしょう。
化学は後期(10月くらい)から大学過去問や記述模試を使った
テスト中心の演習授業になります。
ここでライバルと高めあい、ラストスパートをかけていくことで
合格への道にもまた一歩と近づいていきます。
生物では宇多先生に一年目に基礎からみっちりと仕込んでいただき、
二年目は二次試験前の演習の時にお世話になりました。
宇多先生の絶妙な指導によって、「生物はただの暗記科目」という
私の受験勉強開始時の偏見は、見事に打ち砕かれました。
生物を二次科目で「勝てる」科目にするには、
当然ですが物理選択者に負けないくらいに点を取らないといけません。
そのためには、差がつきやすい実験考察問題や論述問題で点をあまり落とせません。
こういった問題で高得点を確保するには
問題背景や実験の意図を性格に読み取る能力、
そしてそれを正確に記述・論述していく能力が必要で、
なかなか一朝一夕には身につきません。
私も苦戦しながら、宿題の答案や参考書の問題を
宇多先生に添削指導していただくことで徐々に「カン」を養っていきました。
また、幸いアシストには生物が非常にできる仲間がたくさんいるので、
分からない問題はみんなで教えあうことで理解が深まりました。
どの科目でも人に教えることで自分の理解も深まるというのは一石二鳥なので、
たまにはみんなで同じ問題を解いてみる、というのもいいと思います。
理科は他の科目に対してやればやるだけ成績の伸びが実感しやすいので、
得意科目にしない手はありません。
私の再受験一年目は理解不足もあって化学が伸び悩みましたが、
二年目は最大の得意科目になっていきました。
生物も「考察、記述能力をいかに高めるか」という視点を持ってから、
成績の伸びも大きくなっていきました。
以上のような点から理科が伸び悩んでいるという受験生の方には、
アシストは非常にお勧めできます。
・センター対策(国語中心)
アシストではセンター試験対策も非常に充実しているので、
センター過去問やセンター型模試を、直前期に山のように解くことができます。
12月に入るまでは二次対策中心、それ以降はセンター対策中心というのが
セオリーだと思いますが、もちろんそれ以前からセンターの勉強はある程度必要です。
特に理系の受験生の方は国語がネックになっていることが多いので、
春からコンスタントに対策をしておくことが重要です。
古典が苦手な人はたいてい文法、単語よりも理由説明や内容把握の問題で詰まっていると思いますが、
正確に文脈をつかみ、素早く解答作業に持ち込むには、英文の解釈と速読のやり方が結構使えます。
古典を「外国語」として認識することで、背景となる世界観が現代日本語とかなり異なるという了解が得られます。
また、黙読で理解するよりも「音読する」という作業が非常に有効です。
英文を音読して勉強されている方は多いでしょうが、古典も音読すると理解が定着します。
あまり国語にかけられる時間は少ないでしょうから、
授業や問題集で取り扱って一応は理解した文章を正確にインプットし、
復習する手段として音読は最適だと思います。
現代文については「勉強しても成績が伸びない」という意見を持っている人が多いでしょうが、
決してそんなことはありません。個人差はありますが方法論と前提知識の問題だと考えます。
現代文の解き方や読み方は、かなり人それぞれとはいえ、
自分にあった教材や教師を見つけられるか、日ごろから堅い文章に慣れているか、でだいぶ違ってきます。
ただし、どんなに上手い読み方や解き方を授業や参考書で得ても、
前提知識が不足していると、読む速度が落ちますし、
解答根拠に疑問符がついたまま解いてしまい得点力が落ちます。
知識を得るには新書レベルの本をたくさん読めばいいのですが、
受験生ですから、読む時間はそれほどないでしょう。
ですから、せめて語彙を増やすためにの用語の解説集などは手元に置いておきたい。
私はセンターの過去問や模試問題をみんなと一緒に解いて勉強するということを、直前期以前からやっていました。
国語はある程度得意だったのですが、それでも私だって進んではやりたくない、
…けれどもいつかはやらなくてはならない…と及び腰。
他のみんなも同じような感覚を持ちつつ、漠然とした危機感を抱いていました。
そこで、「どうせなら一人では続かないからみんなでやってしまおう」ということになり、
毎週日曜日の午前という一番だらけてしまう時間にあえて自主的に演習に取り組んでいました。
もちろん無料・自由参加でしたが、長期間続けていくことで習慣となるだけでなく、
個々人の課題が明確になり、それを改善していくという良いリズムが生まれました。
当然結果にも反映されることになったので、このような「みんなで自主勉強」という
アシストならではの学習スタイルが功を奏したように思います。
英語や理科に関しては、二次試験中心の勉強を進めていけばセンターは問題ないでしょうが、
アシストのみんなと競い合うと「9割程度は取れて当然」というくらいに意識が高まっていきます。
何より結果が張り出されるのは、プレッシャーと達成感の相乗効果になるかと思います。
数学も早めに対策するに越したことはありません。
私は直前期に㈵A㈼B合わせて100回くらい解きました。
苦手な科目ほど不安感を払拭するために解きまくる、というのがいいのかもしれません。
ただ、ある程度自信がついても本番でまさかの失敗をやらかす(私のこと)ことがあるので、
センターの模試も記述模試と同じくらい受けて慣れることが大切です。
社会はアシストでは配信教材を使った学習が受けられます。
私は利用したことがありませんが、わざわざ予備校に行く手間が省けるので、
苦手な方や勉強を始めたばかりの方は一考の余地はあるでしょう。
社会もアシストで同じ科目を受ける人と繰り返し演習を行うことで伸びが実感していけるかと思います。
・最後に
浪人生も再受験生も、目指すところが高いとそれだけに
「頑張っている自分」がなんとなくカッコよく思えてきて、
空虚なナルシズムに浸る人が少なからずいます。
(私自身その傾向がないとはいえませんし、大手予備校でも
、アシストでも見受けられました)
自分で自分を褒めて達成感を得ることは大切ですが、
自分を実力以上に過大評価することは禁物です。
そういう人に限って勉強の辛さから逃げる言い訳を考えるのが上手かったりします。
「人の振り見て我が振りなおせ」と言いますが、くれぐれも要注意しましょう。
また医学部志望の人に特に言いたいことですが、
昨今のわが国の医療業界の事情や、医療制度、医療政策に関して
あまりにも無知である人が多いのは残念です。
もちろん受験勉強を頑張って、医学部に受かるのが医学部受験生の至上課題ですが、
医師になると決意したからには、将来の自分をとりまく厳しい環境について
ある程度の知識があり、それでも志す覚悟が必要だと思います。
もっと意欲のある方なら、海外の医療事情にも関心を持っていてもよいでしょう。
日ごろから医療関係のニュースに目を通し、
問題点や疑問点があれば自分で調べてみる、そしてそれを踏まえて
自分なりの意見を持っておくことが面接や小論文の対策になります。
また、休憩時間にアシストのみんなと雑談するなかで
そのような話題に発展することもよくあります。
受験生が他の人の意見をじっくり聴くのは、
学校や家庭以外には少ないでしょうから、非常によい機会だと思います。
私はこの二年間でアシスト最長老(笑)でしたが、
年下の皆さんから学ばせていただいたことはたくさんあります。
受験勉強をしていると、勉強がなかなかはかどらなかったり、
模試で志望校の判定が思わしくなかったりして、スランプに陥ることもあるでしょう。
またプライベートな悩みを抱えて勉強が手につかないことも出てくるかもしれません。
そんなときに支えてくれるのは家族や仲間です。
誰とも関わらず孤独に自習することも出来ますが、
それではアシストの良さは半減、いやもっと下がるでしょう。
「200%の能力を生み出す」のは自分だけの力ではなく、
人と人との関わりを大切にすることによって、初めて可能になるはずです。